ヨーロッパのお洗濯で大きな壁となるのは「硬水」。
日本のお洗濯事情と大きく異なる原因の一つです。洗濯物が硬くゴワゴワになる、白物がグレーにくすむ、一体何種類のプロダクトを使わなくてはいけないのか…etc. 肌が弱い人にとっては添加する製品が増えるたびに不安になります。
私は肌が弱くて、日本でも過去にたくさんのアレルギー症状にも悩まされました。ですから「なるべくナチュラルなものを使いたい」「すすぎはしっかり」「余分な化学成分の残留を最小限に」という欲求のもと、柔らかくて白物キープのお洗濯解決法をご紹介します!!
【目次】
1. 基本的なお洗濯に使用するプロダクト
こちらでは一般的に硬水軟化剤(カルゴン等)、洗剤、柔軟剤が主要メンバー。オプションとしてデリケート衣類用洗剤、色物用洗剤、漂白剤、除菌剤(Napisan等)、色移り防止剤を使い分けます。
私の通常お洗濯主要メンバーは下記の通りです。
どれもナチュラル成分でお値段も手軽ですが、これでふんわりと仕上がり白物がくすむ悩みも解消します。
・炭酸ソーダ(炭酸塩)
・洗濯洗剤(植物性エコ洗剤)
・酢(ホワイトビネガー)
・好みの香料を数滴(アロマオイルやナチュラル柔軟剤)
[!注意!] 炭酸塩は毛織物(ウール、カシミア等)やシルクには使えません!縮みの原因となります。その他特殊素材やデリケート素材でアルカリに弱いものには使えませんのでご注意ください。
2. 私のおすすめプロダクト
・炭酸ソーダ(炭酸塩)
私にとって彼はもっとも重要なお洗濯パートナーです。何と言っても成分が安心。無機物で環境にも負担をかけにくいエコ製品です。アルカリ性なので油汚れに強く、汗などのニオイにも働くので洗剤の量は必要分量だけで済み、すすぎ残りの心配が減ります。また、石鹸カス対策もできます。硬水で洗濯していると洗剤と反応してできた石鹸カスが洗濯槽についたり、濃い色の衣類に白いカスとして付着したり、洗剤の力を弱めてしまったりして大敵ですが、これを防いでくれます。これ一つでだいぶ強い味方です 😀
日本ではお洗濯にはセスキソーダが一般的ですが、こちらはもっとアルカリ性の強い炭酸塩が洗剤コーナーにあります。水の硬度が高いのでセスキソーダより使用量が少なくて済むのと、水に溶けやすいので結果便利です。アルカリ性が強いので直接触れるのは避けて手袋やスプーンなどで扱いましょう。私は水分をまったく含まない状態(無水塩)「ソーダ灰」と呼ばれる粉状の物を使用しています。特にメーカーなどは気にする必要はないのでスーパーの洗濯洗剤コーナーで見つかると思います。
・洗濯洗剤
皮膚への刺激が心配なので100%天然成分のものを選んでいます。私は化学成分に高いパーセンテージでアレルギー反応を起こしやすいので、洗剤残りなどの可能性も考えての選択です。ヨーロッパは比較的このようなシリーズが普通のスーパーに揃っていてお値段もお手軽なのでありがたいです。
私が使っているのはWinni’sの液体洗剤です。香りはラベンダーとアレッポ&バーべナの2種類ありますが、自然な香りでどちらも好きです。100%天然成分を原料としていて、低アレルギー性製品としてニッケル、クロム、コバルト等の試験をパスしたskinecoマークを取得しています。エコパッケージの詰替用タイプもあるので環境への配慮もされていてお気に入り。(Amazonプライム会員のみ買えるパントリー対象商品の大容量サイズもお得です)
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・酢(ホワイトビネガー)
こちらは柔軟剤の代替品としてフンワリ柔らかく仕上げる為に大活躍してくれます。また、アルカリ性で洗濯したところを酸で中和する際に衣類に付着したミネラル分も一緒に手放してくれるので白物がグレーにくすむ悩みがなくなります。成分としても油分で繊維をコーティングする柔軟剤に比べて、口に入れる自然なものなので安心です。
匂い残りを心配されるかもしれませんが、最後のすすぎに入れても匂いは残りません。干す時にほのかに感じることがあっても乾燥したらゼロです。もしも乾燥後に匂いが残っている場合はお酢の入れ過ぎです。お酢の種類ですが、ホワイトビネガー(醸造用アルコールを発酵して作られる無色透明のアルコール酢)を選ぶことをおすすめします。米酢、りんご酢、ワインビネガーなどお酢には種類がありますが、穀物酢より匂いがマイルドでお洗濯や掃除に適していますし、価格も安価です。こちらもスーパーで手に入ります。
・好みの香料を数滴(アロマオイルやナチュラル柔軟剤)
これはあくまでお好みです。香料を仕上げに一切入れないと屋外で干した時に外のニオイが付着してしまっていい香りとは言えません。自然成分にこだわる方にはエッセンシャルオイル等をおすすめします。私の場合はナチュラル成分の市販の柔軟剤を数滴だけ使用しています。エッセンシャルオイルは毎日のお洗濯にはちょっと高価ですし、柔軟剤の香りの威力は凝縮されているのでほんの数滴入れるだけで十分ですから柔軟剤一本で1年以上もってしまいます(汗)注意点としては、入れ過ぎは禁物です。柔軟剤のフンワリ効果は繊維を油分でコーティングするものなので、せっかくお酢でフンワリ仕上げて繊維をまっさらに仕上げたのが水の泡になってしまいます。
私はCHANTE CLAIRのVertシリーズ(100%植物起源の成分)の柔軟剤を使っています。香りはユーカリ、コットンフラワー、アジサイの3種。Winni’sは好きなメーカーですが柔軟剤だけが私の好みの香りではないので 😥 このメーカーを選んで使っています。普通のスーパーやドラッグストアで見つかります。
[2019年9月追記]
最近は、ベビー用のBebèに変えました。濃縮タイプではないのでサラッとしてお酢に溶けやすいので冬は特に使いやすいです。
3. それぞれの役割について
それぞれの製品をどのような目的で使用しているかわかりやすくする説明。洗濯洗剤については周知の通りで香りづけはお好みなので省略しています。
炭酸ソーダ(炭酸塩)→
硬水軟化剤(カルゴン等)の代替品として
油汚れ、汗、ニオイの除去を助ける石鹸助剤として
石鹸カス対策
酢(ホワイトビネガー)→
柔軟剤の代替品として(柔かく仕上げる)
白物の白さを保つ
長期保管の際の黄ばみ軽減
4. 実際の手順と使用量の目安
<1> それぞれの製品を入れる場所は下記の通りです。機種によって色々なトレーの形があると思いますが、表示マークは同じだと思いますので参考にしてください。
<2> 炭酸ソーダを事前に水に溶かす。
製品パッケージには洗濯槽に直接投入するように書いてあります。
私の場合は溶け残りが心配なので、念のためコップの水に溶かしてから洗剤を入れる前に洗剤投入口に入れます。冬場の冷たい水には溶けやすいと言われる炭酸ソーダでもちょっと時間がかかる点とヨーロッパのドラム式洗濯機は節水型で水量が少ない点から、きちんと水に溶けて役割を果たして欲しいのでこうしています。
【使用量】スプーン1〜3杯 (私の場合)
お住いの地域の水の硬度によって使用量を見極める必要がありますが、最初は上記の量で試してみてください。季節によっても使用感が変わる可能性があります。私は夏場は1杯程度、春、秋、冬は2〜3杯程度入れます。洗濯の仕上がりをみながら調整します。
♦ 炭酸ソーダは必ず洗剤を入れる前に投入します。石鹸カスをできにくくする効果としては石鹸より先に水の中に投入されていることが重要です。
<3> 洗剤を入れる。
洗剤の量は水の硬度、汚れの程度、洗濯物の量によって変えていく必要はあります。
私の場合は特に泥汚れなどもなく普通に1日着用して付着した皮脂や汗の汚れ程度で、炭酸ソーダの助剤効果もあるので硬度(低い)、汚れ(少ない)の使用量を目安にして十分汚れが落ちています。洗剤が少なすぎて汚れが落ちないのは本末転倒ですが、入れすぎてすすぎが十分できず洗剤が残ってしまうのも節水型ドラム式洗濯機の難しいところです。意外に洗剤量について語るのは深いです。長くなるので洗剤量を決めるコツについての記事はこちら。
【使用量】製品に表示されている最低限の量 (私の場合)
<4> 柔軟剤投入口にお酢を入れる。
【使用量】 大さじ2杯程度
こちらは仕上がりを見ながら調整します。特にフンワリ感が足りない時には量を増やすと変わります。入れ過ぎは酢の匂い残りで気がつきますのでご安心ください。(普通は乾燥したら酢は全く匂いません)少しの量の違いでは変化は出ませんので私はいつも目分量で投入します。
<5> コースを選んでスイッチオン!
コース選びに迷ったら、、、洗濯コース選びについての記事はこちら
5.最後に
このような形で、気がつけばできる限りナチュラル成分のものを使って環境に優しい満足のいく洗い上がりの洗濯ができるようになりました。こちらでは雨のジメジメした季節に部屋干しなどをすると洗濯物が臭くなることを防ぐために除菌剤を使用する方も多いのですが、私はNapisan(除菌剤)を規定量入れたら一度で皮膚が痒くなってしまってダメでした 😥 (赤ちゃんにも使える製品なので明らかに私個人に成分が合わなかったということでしょう)。この方法にたどり着いてから除菌剤は使っていませんが、部屋干しをしても洗濯物が臭くなることもありません。正しく汚れが落とせているのではないかと考えています。硬水洗濯には柔軟剤を使うよりもお酢の方がフンワリして白物も白いままです。期待していなかった要素が自然とついてきてくれました。季節によっても環境が変わりますのでコツを掴むまでは少し経験が必要かとは思いますが、理想のお洗濯の近道となる情報が一つでもあれば幸いです。
そして、硬水と共に生きるということは洗濯機に対しても硬水対策も忘れてはなりません!!これを怠ると硬水に含まれる石灰による洗濯槽やパイプ、配管のつまりが原因で大切な洗濯機が壊れてしまうこともあります。洗濯槽のケアについての記事はこちらでご紹介しています。